うちのゼミ
そりゃあ貴方みたいに情報や知識ををたくさん持っていればいいでしょう。
でもこっちは、貴方と同じ文脈で生きている訳では無いんだ。
そもそも、その学生の研究に向かう時の価値観も覚えていないようで
本当に教育が出来るのか?
学生は貴方の駒じゃないんだ。
そりゃあ無知でやる気もそこそこしかない学生に
全てを任せていたらいい研究なんて出来ないのかもしれない。
でも学部生の卒論なんてそんなもんだろう。
そこはその子の教育の為だと思って腹括れないのか?
自発性がなけりゃ人間絶対に伸びないんだから。
そして、遣らされでは絶対にいい研究は生まれない。
しかも、そこはまだ難しいから、参考文献等で
事前のレファレンスが必要なのでは?
と意見したら、うん、でもそこは彼女に悩んでもらおうと思ってと仰る。
それまで散々情報を浴びせておいてなんだそりゃ。
悩ます所が検討違いなんだよ。
と、ゼミの間思い、上の内容の10分の1ぐらいの内容を
へりくだって伝える。
まあ伝わらなかっただろう。
ゼミは一人当たり1.5時間行われ、それを一日2人3時間する。
だから、学部生だと全然集中力が続かないし教官の独断場となる。
目の前で散々準備してきたレジュメが駄目出しをされ、
茫然自失としている前で、貴方の意見
(それを学生の力でひっくり返すことは難しい)
を怒涛の勢いで言われても、学生の心には届かない。
俺は学生と教官の間に立ち、彼等の意図と教官の意見を翻訳しようとするが、
それが必ずしも成功するわけではない。
そんな日だった。
